背景と課題
従業員約 200 名の産業機器メーカーである同社では、社内規定、製品マニュアル、アフターサポートのチケットが共有ドライブ・メール・紙のバインダーに分散していました。新入社員が独り立ちして顧客の質問に答えられるまで、先輩社員の帯同のもとで約 1 か月を要していたといいます。サポート・販売企画の担当者は難問に直面すると、資料を探すだけで 10 分以上かかり、しかも見つかった答えが正確とは限りませんでした。
汎用のナレッジベース製品の導入も検討しましたが、社内の権限体系と連携できず、機密データをパブリッククラウドに置くことも許されず、構想は一旦凍結されていました。
ソリューション
オンプレミス構成の企業向けナレッジベース質問応答システムを構築しました。規定・製品・アフターサポートの文書を一括で解析・チャンク化・ベクトル化し、社内に設置した大規模言語モデルが RAG によって権限のある文書のみを参照して回答を生成します。
設計の要点は 3 つです。権限を組織構造に合わせ、部署単位で機密情報を分離したこと。回答に必ず出典を添え、ワンクリックで照合できるようにしたこと。そして API と Web の両入口を用意し、サポートチケットシステムと社内ポータルにそれぞれ組み込んだことです。
導入効果
- 新入社員が独り立ちするまでの期間は約 4 週間から 2 週間半へ短縮し、研修コストを圧縮しました(サンプル数値、要確認)。
- 回答探索の平均時間は 10 分以上から 1 分以内へ。初回解決率も向上しました(サンプル数値、要確認)。
- データもモデルもすべて顧客の社内ネットワーク内で稼働し、情報セキュリティ部門の検収を通過しました(サンプル数値、要確認)。
- ナレッジベースは運用可能な資産として定着し、文書の更新が回答へ自動反映されます。